「できない人」より手強い「やろうとしない人」を、戦力に変える方法
【やろうとしない心を動かすための行動科学】
~やらないのは能力ではなく行動しない習慣~
「簡単な仕事なのにやらない。」
「出来ないのではなく最初からやろうとしない。」
あなたの
職場にそんな人がいませんか?
難しい仕事なら仕方ありません。
知識や技術が足りないこともあるでしょう。
しかし
本当に育成が難しいのは
「できない人」ではなく
「やろうとしない人」です。
多くの指導者は
「どう教えれば理解してくれるか」
を考えます。
しかし
本当の問題はそこではありません。
「やろうとしない人」は
理解ができないのではなく
行動しないという習慣が
できあがっているのです。
【人間は「行動」より「回避」を選ぶ生き物】
私たちの脳は
生き残るために進化してきました。
そのため
新しい挑戦よりも
失敗しないことを優先します。
心理学では
人は損失を利益より大きく感じることが
知られています。
これは損失回避と呼ばれます。
つまり
成功して褒められる喜びより
失敗して叱られる苦痛の方を
強く感じるのです。
だから
失敗する可能性があるなら
最初から動かない。
挑戦しない。
返事だけして終わる。
こうした行動は
本人からすると怠けているのではなく
脳が自分を守ろうとしている結果なのです。
【「やらない」は一つの学習である】
人は
行動だけでなく
行動しないことも学習します。
例えば
頼まれたことをやらなくても
誰かが代わりにやってくれる。
期限を守らなくても
強く注意されない。
言い訳をすれば許される。
すると脳は学びます。
「やらなくても困らない。」
この瞬間
やらないという行動が強化されます。
つまり
本人だけの問題ではなく
周囲の関わり方によって
やらない人が育つこともあるのです。
【人は成功体験だけでなく回避成功体験でも学習する】
教育で
成功体験が大切だと言われます。
もちろんその通りです。
しかし
見落とされやすいものがあります。
それが
回避成功体験です。
・怒られそうだから黙っていた。
・やらなかったけれど何も起きなかった。
・言い訳をしたら終わった。
このような経験をすると
脳は
この方法で自分は守られたと記憶します。
すると次も同じ行動を選びます。
つまり
やらない人は
やらないことに成功しているのです。
【行動を変えるには結果を変えなければならない】
脳は
結果によって学習します。
だから
やらない行動には
「やらないまま終わる」
という結果を与えないことが重要です。
例えば
途中で投げ出したら
最後までやり切る。
報告しなかったら
報告するまで終わらない。
約束したなら、
約束を果たすまで付き合う。
厳しいように聞こえるかもしれません。
しかし
これは罰ではありません。
行動すれば
結果(現実)が変わるという
正しい学習をさせるための教育なのです。
【教育とは「責任」を教えることではない】
責任とは
怒られることではありません。
責任とは
自分が選んだ行動の結果を引き受けることです。
その経験を積み重ねることで
人は初めて
「次はどうしよう」
と考えるようになります。
責任感は
叱られて育つものではありません。
責任を経験することで育つのです。
【指導者が絶対に諦めてはいけない理由】
多くの人は
三回言って変わらなければ諦めます。
しかし
行動習慣は
何年もかけて身についたものです。
それを数回の指導で変えられるほど
人間の脳は単純ではありません。
だからこそ
教育に必要なのは
熱意よりも一貫性です。
今日も同じことを伝える。
明日も同じ基準で接する。
できるまで任せる。
この積み重ねが
少しずつ脳の回路を書き換えていきます。
【本当に育てるべきもの】
知識は教えれば増えます。
技術も練習すれば身につきます。
しかし
取り組む姿勢だけは
本人が行動しなければ変わりません。
だから教育とは
知識を教えることではなく
行動する人間を育てることなのです。
やろうとしない人を変える方法は
魔法の言葉ではありません。
・約束を守る。
・最後までやり切る。
・改善策を考える。
・できるまで続ける。
この当たり前を
当たり前に積み重ねられる環境をつくること。
それこそが
教育の本質なのです。
現場で
「やろうとしない人」を前にすると
指導者も人間ですから
ついイライラしたり
諦めたくなったりするものです。
しかし
それは本人の怠惰ではなく
脳の防衛本能が引き起こしている
現象に過ぎません。
相手を否定するのではなく
その「回避のループ」を
静かに断ち切ってあげること。
今日も現場で
奮闘するすべての指導者の方へ
この記事がブレない軸を
取り戻すきっかけになれば幸いです。
では最後にお待ちかねの川柳です。
一貫が
逃げ道ふさぎ
人育つ
byくさか


