「知っている」と「分かっている」と「できる」は違う
【仕事の理解力】
「知っている」と「分かっている」と「できる」は違う
~本当の理解は「行動」に表れる~
仕事をしていて
「それ、知っています」
「分かりました」
と聞いて安心して、
実際にやってもらうと
「できていない」
ということがあります。
これは
本人が嘘をついている
ということではありません。
「知っている」
「分かっている」
「できる」
この3つは
実は別の段階なのです。
■ 「知っている」とは?
まず
「知っている」とは
情報として知識を持っている状態です。
例えば
「お客様には丁寧な対応が必要」
ということを知っている。
「報告・連絡・相談が大切」
ということを知っている。
「確認してから行動する」
ということを知っている。
ここまでは
知識の段階です。
でも
知っているだけでは
まだ行動にはつながりません。
例えば
「筋トレは継続が大切」
と知っていても
実際に毎週トレーニングできるとは限りません。
「報告が大切」と知っていても
忙しくなると報告を忘れてしまうことがあります。
つまり
知っている=できる
ではありません。
■ 次の段階が「分かる」
では
「分かる」とは何でしょうか?
それは
なぜ必要なのかを理解している状態です。
例えば
「報告してください」
と言われたから報告する。
これは
まだ「知っている」に近い状態です。
一方で
「なぜ報告が必要なのか?」
を理解していれば
少し状況が変わります。
「早めに報告しておけば
問題が大きくなる前に対応できるから」
ここまで理解できれば単なるルールではなく
目的が見えてきます。
「報告することを知っている」
から
「なぜ報告するのかが分かる」へ。
ここで
理解が一段深くなります。
■ そして「できる」へ
しかし
ここでもまだ終わりではありません。
「報告が大切なのは分かっています」
と言っていても
実際の仕事で報告できなければ
「できる」とは言えません。
例えば
トラブルが起きたときに
「まず事実を整理する」
↓
「早めに上司へ連絡する」
↓
「現在の状況を伝える」
↓
「自分が考えている対応を伝える」
↓
「対応後に結果を報告する」
ここまで実際にできて
初めて
「できる」という段階になります。
つまり
知る
↓
分かる
↓
できる
この3段階には
大きな違いがあります。
■ 「知っている人」と「できる人」の違い
例えば
「接客では笑顔が大切です」
という話を聞いたとします。
「はい、知っています」
と言う人。
でも
忙しくなると表情が硬くなる。
一方
「笑顔が大切な理由は
お客様に安心感を持ってもらうため」
と理解している人は
忙しいときほど、
意識して相手を見る。
さらに
それを毎日の仕事で
自然に実践できるようになれば
「できる人」になります。
同じ「笑顔」というテーマでも
知る → 分かる → できる
では
仕事の質がまったく違います。
■ 「分かったつもり」が一番危ない
仕事では
「分かったつもり」が
一番危険。
説明を聞いた。
↓
うなずいた。
↓
「分かりました」と答えた。
ここまで来ると
伝えた側は
「理解してもらえた」と思います。
しかし
実際にやってみるとできない。
そこで初めて
「分かった」と「できる」の間に
大きな差があることに気づきます。
だからこそ
「分かった?」だけで終わらせない。
「では、どう進めますか?」
「まず何からやりますか?」
「実際にやってみましょう」と
行動まで確認する。
これが大切です。
■ 「伝える」のゴールは「知ってもらう」ではない
仕事で何かを伝える。
その目的が
「相手に知識を与えること」
だけなら
「知った」
ところで終わります。
しかし
本当に必要なのは
知る
↓
分かる
↓
できる
まで進んでもらうこと。
伝える力とは
情報を渡す力だけではなく
相手が「できる」ところまで
導く力でもあるのだと私は思います。
■ 指導する側も「教えた」で終わらない
これは
上司と部下、
先輩と後輩、
トレーナーとお客様、
どの関係でも同じです。
「説明しました」
「教えました」
「注意しました」
だけでは
指導したことにはなりません。
大切なのは
「相手がどう理解したのか?」
そして
「実際にできるようになったのか?」です。
例えば
仕事の手順を説明したなら
一度、
本人にやってもらう。
できなければ
どこでつまずいたのかを見る。
そして
もう一度やってもらう。
これを繰り返すことで
知識が行動に変わっていきます。
■ 本当の理解は「行動」に出る
「知っています」
「分かっています」
という言葉だけでは
本当の理解度は分かりません。
では
何を見ればいいのか?
行動を見る。
これが
一番分かりやすい方法です。
知っている人は
「言葉」で説明できます。
分かっている人は
「理由」を説明できます。
できる人は
「行動」で示すことができます。
だから
知識は言葉に出る。
理解は理由に出る。
実力は行動に出る。
私は
この違いがとても大切だと思います。
■ 「できる」には練習が必要
そして
「分かったのにできない」ことは
決して珍しいことではありません。
例えば
自転車の乗り方を
教わったからといって
すぐに乗れるわけではありません。
トレーニングのフォームを
説明されたからといって
一回でできるわけではありません。
だから
分かっているのにできない=ダメな人
ではありません。
むしろ
そこからが練習なのです。
分かる
↓
やってみる
↓
失敗する
↓
修正する
↓
もう一度やる
↓
できる
この繰り返しによって
知識が自分の力になっていきます。
■ 「できる」ようにするのが本当の指導
だから
良い指導とは
ただ説明することではありません。
「知る」
↓
「分かる」
↓
「やってみる」
↓
「できる」
この階段を
一段ずつ上ってもらうこと。
そのために
・分かりやすく説明する
・理由を伝える
・質問する
・実際にやってもらう
・間違いを確認する
・修正する
・もう一度やってもらう
こうした関わりが必要になります。
「教えた」ではなく
「できるようになった」まで見る。
ここに
指導する側の責任があるのだと思います。
■ 「知る・分かる・できる」を仕事に置き換える
【報告】
知る
「仕事では報告が必要だと知っている」
分かる
「早めに報告すれば問題が大きくなる前に
対応できると理解している」
できる
「問題が起きたら自分から早めに報告できる」
【確認】
知る
「確認が大切だと知っている」
分かる
「確認しないと
思い込みによるミスが起きると理解している」
できる
「分からないことを自分から確認できる」
ここまで来ると
単なる知識ではありません。
仕事の力になっています。
■ 最後に
繰り返すことで
「できる」が
「自然にできる」
へ変わっていきます。
だから
人を育てるときも
自分が成長するときも
「知っているか?」
だけではなく
「なぜ必要なのか
分かっているか?」
そして
「実際にできるか?」
ここまで確認する。
知識を増やすだけでは
人はなかなか変わりません。
理解して、
行動して、
できるようになって、
初めて
知識が「力」になっていく。
仕事における成長とは
「知っていること」を増やすことではなく
「できること」を増やすことなのです。
では最後にお待ちかねの川柳です。
成長は
知識の量より
行動量
byくさか


