「聞かなくてもいいこと」を聞いてくる理由
【仕事の理解力・続編】
「聞かなくてもいいこと」を聞いてくる理由
~質問の数ではなく「何を聞くか」が仕事の理解力~
あなたは仕事をしていて
こんな場面がありませんか?
「そこは聞かなくても分かると思うけど…」
「そこを聞く前に、こっちを確認してほしい」
「本当に聞かなければいけないことを
なぜ聞かないんだろう?」
一方で
どちらでもいい細かいことについては
何度も質問してくる。
私は
ここに「仕事の理解力」
が表れると思っています。
【仕事ができる人、できない人】
仕事ができる人は
「何を聞くべきか」を考えてから質問します。
逆に
仕事がうまく進まない人ほど
「自分が分からないこと」を
片っ端から聞いてしまうのです。
この違いは
質問の数ではありません。
「質問する前に、何を考えているか」
の違いです。
■「分からないこと」と「聞くべきこと」は違う
分からないことがあれば
質問する。
これは悪いことではありません。
むしろ
分からないまま進めるほうが危険です。
ただし
「分からないこと=すべて聞くべきこと」
ではありません。
例えば
「これはどこに置けばいいですか?」
という質問。
置き場所が決まっているなら
確認する必要があります。
しかし
「ここでいいかな」
と少し考えれば分かることまで
毎回聞いていたら
自分で判断する力は育ちません。
質問する前に
「自分で考えれば分かることなのか?」
を一度考える。
これが大切です。
■ 本当に聞かなければいけないことを聞かない
もっと問題なのは
聞かなければいけないことを聞かないことです。
例えば
・お客様に関わる重要なこと
・お金に関わること
・安全に関わること
・ルールや方針に関わること
・自分の判断で進めると大きな影響が出ること
こうしたことは
「たぶん大丈夫だろう」
で進めてはいけません。
迷ったら確認する。
特に
後から取り返すことが難しいことほど
事前に相談する。
これは「相連報」にもつながります。
■ なぜ、聞かなくてもいいことを聞くのか?
では
なぜこうしたことが起こるのでしょうか。
一つは
「自分で考える前に聞く習慣」です。
分からない。
↓
すぐ聞く。
これが習慣になると
「考えてから質問する」
という一番大切な部分が抜けてしまいます。
もう一つは
「責任を負いたくない」
という心理です。
「自分で決めて失敗したらどうしよう」
「自分の判断で間違っていたら嫌だ」
そう考えると
小さなことまで確認したくなります。
しかし
何でも確認していれば責任を
回避できるわけではありません。
仕事とは
自分で判断する部分と
相談する部分を分けること。
その判断ができることも
仕事の能力なのです。
■「質問すること」は仕事ではない
質問をたくさんする人を見ると
「よく確認しているから安心だ」
と思うことがあります。
しかし
質問の数だけでは判断できません。
大切なのは
「どんな質問をしているか」です。
良い質問には
自分なりの考えがあります。
「私はこう考えています。
ただ、この部分だけ確認したいです」
これは
考えたうえでの質問です。
一方で
「どうしたらいいですか?」
「次は何をすればいいですか?」
と毎回ゼロから聞く。
これでは
相手に考える仕事まで丸投げしてしまいます。
質問とは
自分の思考を止めるためではなく
思考を前に進めるために使うものです。
■「何を聞くか」に、その人の理解力が出る
仕事を教えていると
質問を聞くだけで
その人がどこまで理解しているかが
分かることがあります。
同じ説明を聞いていても
人によって質問が違う。
ある人は
本当に重要なポイントを質問する。
別の人は
細かいところばかり質問する。
この違いは
「重要度を判断する力」
の違いでもあります。
仕事では
すべてが同じ重要度ではありません。
「これは絶対に確認しなければいけない」
「これは自分で判断していい」
「これは後で確認すればいい」
この優先順位をつける。
それが
仕事の理解力につながります。
■ 良い質問には「自分の考え」がある
私は
質問をするときに
「自分はどう考えたのか」
を一言入れることが大切だと思っています。
例えば
「私はAだと思っています。
ただ、◯◯の部分だけ確認したいです」
これなら
どこまで理解しているのかが分かります。
もし考え方が間違っていても
修正できます。
逆に
「どうすればいいですか?」
だけでは
どこまで考えたのかが分かりません。
だから
「質問+自分の考え」
をセットにする。
これだけでも
質問の質は大きく変わります。
■ 聞くべきことを聞ける人は、仕事が速い
本当に仕事ができる人は
何でも自分だけで解決しているわけではありません。
「ここは自分で考える」
「ここは相談する」
「ここは確認しなくても進められる」
この判断が速い。
だから
仕事が止まりません。
そして
必要なところでは早めに相談するので
大きなミスも防ぎやすい。
つまり
仕事ができる人は
「聞かない人」ではありません。
「聞くべきところを、正しく聞ける人」です。
■ 指導する側も「質問の仕方」を教える
新人や部下に
「分からなかったら聞いて」
と伝えるだけでは
十分ではありません。
それと同時に、
「質問する前に、まず自分で考える」
という習慣も教える必要があります。
例えば
「何が分からない?」
だけではなく
「あなたはどう考えた?」
「どこまでは自分で判断できる?」
「どこからが確認が必要?」
と聞いてみる。
これを繰り返すことで
「すぐ聞く人」から
「考えてから聞く人」
へ変わっていきます。
■ 最後に
仕事ができる人と、
仕事ができない人。
その違いは
「質問するか、しないか」
ではありません。
「何を考えて、何を聞くか」
です。
聞かなければいけないことを聞く。
聞かなくてもいいことは
まず自分で考える。
そして
自分で考えても判断できないところは、
早めに相談する。
これが
「相連報」
にもつながっていきます。
仕事ができる人は
質問が少ない人ではありません。
質問の質が高い人です。
そして
「何を聞くべきか」を判断できる人は
仕事の優先順位も判断できる。
だからこそ
「何を聞くか」には
その人の仕事の理解力が表れるのです。
聞く前に、まず考える。
考えても分からなければ
聞く。
そして
必要なことは早めに相談する。
これが
自分で考えて仕事を進められる人の共通点
なのだと私は思います。
では最後にお待ちかねの川柳です。
何を聞く
そこに仕事の
理解力
byくさか


