好き嫌いで態度を変えてはいけない理由

【職場の人間関係・続編】

好き嫌いで態度を変えてはいけない理由

~人としての好き嫌いと、仕事上の対応は別物~

職場で仕事をしていると

どうしても

「この人とは気が合う」

「この人は苦手だ」

ということがあります。

話が合う人。

一緒にいて楽しい人。

自分の考えを理解してくれる人。

反対に

考え方が合わない人。

何を考えているのか分からない人。

自分の意見に反対してくる人。

誰にでも

好き嫌いはあると思います。

それ自体は

悪いことではありません。

人間ですから

合う人もいれば

合わない人もいます。

しかし

ここで考えてほしいことがあります。

それは

「好き嫌いがあること」と

「好き嫌いで態度を変えること」は違う

ということです。

■ ① 好きな人には優しく、嫌いな人には冷たくなる

例えば

職場でこんなことはありませんか?

好きな人がミスをしたら

「大丈夫!次から気をつけようね」

ところが

嫌いな人が同じミスをすると

「なんでこんなこともできないの?」

好きな人が相談してきたら

親身になって話を聞く。

でも

嫌いな人が相談してきたら

「自分で考えて」

好きな人の意見には耳を傾ける。

でも

嫌いな人の意見は

最初から否定する。

もし

こんな違いがあるとしたら

どうでしょうか?

同じミスなのに

相手によって対応が違う。

同じ意見なのに

相手によって評価が違う。

これでは

仕事の判断基準が

「何が正しいのか」ではなく

「誰が言ったのか」になってしまいます。

もちろん

相手の経験や能力、状況によって

指導の方法を変えることは必要です。

しかし

好き嫌いを理由に

対応を変えることは別の話です。

仕事で大切なのは

相手を好きか嫌いかではなく

何が適切なのかを考えることです。

■ ② 好き嫌いで態度を変えると信頼を失う

職場では

本人が思っている以上に

周囲は人の態度を見ています。

「あの人は、仲のいい人には優しいよね」

「自分のお気に入りには甘いよね」

「嫌いな人には、あからさまに冷たいよね」

そんな印象を持たれてしまうと

少しずつ信頼が失われていきます。

特に

立場が上の人や

周囲に影響を与える人ほど

注意が必要です。

上司やリーダーが

好きな人ばかりを評価していたら

どうなるでしょうか?

真面目に仕事をしている人が

正当に評価されない。

意見を言っても

聞いてもらえない。

頑張っても

認めてもらえない。

そう感じる人が増えれば

職場の雰囲気は悪くなります。

そして

本来なら仕事の改善に使えるはずの

時間やエネルギーが

人間関係の不満に使われるようになります。

信頼される人は

誰とでも仲良くする人ではありません。

誰に対しても

一定の敬意を持って接する人です。

全員を好きになる必要はありません。

ただし

好きではない相手だからといって

雑に扱っていいわけではないのです。

■ ③ 苦手な人ほど、自分の感情をコントロールする

人間関係で難しいのは

自分と合わない人への対応です。

自分の考えを否定してくる人。

何度説明しても

なかなか理解してくれない人。

自分より評価されている人。

自分の思いどおりに動いてくれない人。

こうした相手に対して

イライラすることもあると思います。

しかし

ここで大切なのは

自分の感情と行動を分けることです。

「この人は苦手だ」

そう感じることは

自分の感情です。

でも

「だから冷たく接してもいい」

「だから話を聞かなくてもいい」

「だから協力しなくてもいい」

ということにはなりません。

感情が生まれることと

その感情のまま行動することは

別だからです。

例えば

苦手な人から質問されたとき。

感情のまま対応すれば

「前にも説明したよね?」

と突き放したくなるかもしれません。

でも

仕事として考えれば

「前回の説明で分かりにくかった部分はどこですか?」

と聞くこともできます。

もちろん

相手の仕事への姿勢に問題があるなら

必要な指導をすることも大切です。

ただし

相手を嫌いだから厳しくするのではなく

改善が必要だから指導する。

この違いを

忘れてはいけません。

感情をなくすことが大切なのではありません。

感情に仕事の判断を

支配させないことが大切なのです。
 

■ ④ 「自分にとって都合のいい人」だけを大切にしていないか?

職場には

自分の意見に賛成してくれる人もいれば

反対する人もいます。

自分を褒めてくれる人もいれば

厳しい意見を伝えてくる人もいます。

人は誰でも

自分を理解してくれる人と

一緒にいたいと思うものです。

しかし

自分にとって都合のいい人だけを

大切にしていると

気づかないうちに

視野が狭くなってしまいます。

自分に賛成する人の意見は受け入れる。

反対する人の意見は聞かない。

自分を褒めてくれる人は評価する。

厳しいことを言う人は遠ざける。

これでは

自分の考えを見直す機会まで

失ってしまいます。

じつは

自分と意見が違う人の中にこそ

自分が気づいていない問題や

改善のヒントがあるかもしれません。

反対意見が

すべて正しいわけではありません。

大切なのは

誰が言ったかだけで判断せず

その意見にどんな根拠があるのかを

考えることです。

自分に賛成してくれる人だけを

大切にするのではなく

自分と違う意見にも

耳を傾けられる人でありたいものです。

■ ⑤ 人を評価するときは、好き嫌いではなく事実を見る

職場では

人を評価しなければならない場面があります。

仕事の成果。

仕事への取り組み方。

周囲との協力。

責任感。

こうしたものを評価するときに

気をつけたいことがあります。

それは

好き嫌いによって

相手の見え方が変わってしまうことです。

好きな人の成功は

実力のおかげだと思う。

嫌いな人の成功は

運が良かっただけだと思う。

好きな人の失敗は

仕方がないと考える。

嫌いな人の失敗は

能力がないからだと考える。

同じ出来事でも

相手によって解釈を変えてしまう。

こうしたことは

誰にでも起こり得ます。

だからこそ

意識して事実を見る必要があります。

・実際にどんな成果があったのか。

・どんな行動をしていたのか。

・どんな問題が起きたのか。

・改善するために何をしたのか。

感情や印象だけで判断するのではなく

具体的な事実を確認する。

そして

自分の評価が偏っていないかを

振り返ることも大切です。

人を正しく評価するためには

自分自身の好き嫌いにも

目を向ける必要があります。

■ ⑥ 公平とは、全員に同じ対応をすることではない

ここで

もう一つ大切なことがあります。

それは

公平と平等は

必ずしも同じではないということです。

例えば

同じ仕事を任せても

経験のある人と

初めて取り組む人では

必要なサポートが違います。

一人でできる人には

ある程度任せる。

まだ慣れていない人には

手順を説明しながら進める。

状況に応じて

対応を変えることは必要です。

しかし

その違いが

好き嫌いによって生まれているなら

問題があります。

好きな人にはチャンスを与える。

嫌いな人にはチャンスを与えない。

好きな人のミスは見逃す。

嫌いな人のミスだけを責める。

これでは

公平な職場とはいえません。

大切なのは

全員にまったく同じ対応をすることではなく

それぞれの状況に応じながらも

判断の基準は公平に保つこと

です。

相手によって必要な支援は変わっても

尊重する姿勢まで変える必要はありません。

■ ⑦ 本当に信頼される人は、相手によって態度を変えない

私は

仕事ができる人と

信頼される人には

少し違いがあると思っています。

仕事ができる人は

自分の仕事を正確に進められる人。

そして

信頼される人は

相手が誰であっても

安心して仕事ができる環境をつくれる人です。

もちろん

誰に対しても同じように

接することは簡単ではありません。
 

苦手な人もいるでしょう。

考え方が合わない人もいるでしょう。

どうしても

納得できない相手もいるかもしれません。

それでも

挨拶をする。

必要な連絡をする。

仕事に必要な協力をする。

相手の話を聞く。

問題があれば事実に基づいて伝える。

こうした基本的な行動は

好き嫌いとは切り離して

実践することができます。

相手を好きになる必要はありません。

無理に仲良くする必要もありません。

しかし

仕事に必要な敬意や責任まで

感情によって変えてはいけないのです。

人として合うかどうかと

仕事相手として誠実に接するかどうかは

別の話です。

その区別ができる人は

周囲から信頼されやすくなります。

■ 最後に

人間ですから

好き嫌いはあります。

気が合う人もいれば

苦手な人もいます。

自分を理解してくれる人もいれば

考え方がまったく違う人もいます。

それは

仕方のないことです。

しかし

自分の好き嫌いを理由に

相手への態度を変えてしまったら

どうなるでしょうか?

相手を正しく評価できなくなる。

必要な意見を聞けなくなる。

職場の人間関係が悪くなる。

そして

自分自身の信頼まで

失ってしまうかもしれません。

だからこそ

考えてほしいのです。

自分は

相手のことが嫌いだから

厳しく接しているのか。

それとも

仕事上、改善が必要だから

厳しく伝えているのか。

自分と意見が違うから

相手を否定しているのか。

それとも

事実や根拠を確認したうえで

判断しているのか。

その違いを

自分自身に問いかけてみることが

大切なのだと思います。

好き嫌いは自由です。

しかし

好き嫌いを仕事の判断基準にしてはいけない。

相手を好きになれなくても

公平に接することはできます。

意見が合わなくても

協力することはできます。

苦手な人からでも

学べることはあります。

そして

相手を尊重することは

相手の意見に何でも賛成することでも

相手の間違いを見逃すことでもありません。

必要なことは伝える。

問題があれば改善を求める。

それでも

相手の人格を否定しない。

仕事に必要な基準を守りながら

一人の人間として相手を尊重する。

そんな姿勢が

自分自身の成長につながり

職場全体の信頼を育てていくのだと私は思います。

まずは

自分の好き嫌いが

仕事の判断に影響していないか。

一度、振り返ってみませんか?

では最後にお待ちかねの川柳です。

好き嫌い

仕事に持ち込み

信頼減

byくさか