ザリガニ理論で紐解く組織と人の心理

【人間関係・成長の心理】

安全な場所ほど、実は危険?

「残酷すぎる」ザリガニ理論

~居心地の良さが、
 あなたの成長を止めているかもしれない~

突然ですが

あなたは今、

居心地の良い場所にいますか?

・自分を否定する人がいない。

・厳しいことを言われない。

・失敗してもそれほど責められない。

今までと同じことをしていれば

大きな問題もなく毎日が過ぎていく。

一見すると

とても恵まれた環境に思えます。

しかし

そこには

意外な落とし穴があるかもしれません。

安全だと思っている場所が

実は自分を成長できなくする場所だった。

今回は

そうした状況を考えるきっかけとして

「ザリガニ理論」を取り上げます。

※ここでいう「ザリガニ理論」は
成長を妨げる環境を考えるための比喩として扱います。科学的に確立された法則という意味ではありません。

■ 1.なぜ、居心地の良い場所が危険なのか?

人間には

できるだけ失敗したくない。

傷つきたくない。

責められたくない。

今の生活を変えたくない。

という心理があります。

これは自然なことです。

誰だって

安心できる場所にいたいものです。

しかし

安心できることと

成長できることは同じではありません。

例えば

職場でこんなことが続いたら

どうなるでしょうか?

・仕事でミスをしても誰も指摘しない。

・仕事ができる人とできない人の差を曖昧にする。

・努力している人もしていない人も同じ扱い。

・新しいことに挑戦しなくても困らない。

・問題が起きても誰かが代わりに処理してくれる。
 

最初は楽かもしれません。

しかし

少しずつ

自分で考える力が弱くなっていく。

失敗から学ぶ機会が減る。

自分の課題に気づかなくなる。

できないことを

できないまま放置する。

そして気がついたときには

以前よりも成長できなくなっている。

怖いのは

成長していないことよりも

成長していないことに気づかなくなることです。

■ 2.「厳しくない環境」と「良い環境」は違う

ここで

勘違いしてはいけないことがあります。

それは

厳しい環境が良くて

優しい環境が悪いわけではない

ということです。

・怒鳴られる。

・人格を否定される。

・失敗を笑われる。

・理不尽な要求を押しつけられる。

こんな環境は

人を成長させるどころか

萎縮させてしまいます。

本当に良い環境とは

・安心して失敗できる。

・分からないことを質問できる。

・間違いを指摘してもらえる。

・自分の課題と向き合える。

・挑戦する機会がある。

こうした環境です。

つまり

安心できることと

甘やかされることは違います。

安心できるからこそ

失敗を認められる。

失敗を認められるからこそ

改善できる。

改善できるからこそ

成長できるのです。

■ 3.ザリガニ理論から考える「人間関係の落とし穴」

職場の人間関係でも

同じようなことが起こります。

例えば

自分にとって耳の痛い意見を

言ってくれる人がいるとします。

「そのやり方は、よくないと思う」

「もっとこうしたほうがいいのでは?」

「そこは、もう少し自分で考えてみよう」

言われた瞬間は

気分が良くないかもしれません。

自分を否定されたように

感じることもあるでしょう。

一方で

自分の欠点を言わず

いつも同意してくれる人。

自分の間違いを指摘せず

何でも受け入れてくれる人。

一緒にいると

とても居心地が良いものです。

自分を受け入れてくれる人の存在も大切です。

しかし

もし周囲が

自分に都合の良い言葉しか

かけてくれなくなったらどうでしょうか?

・自分の間違いに気づけない。

・自分の考えが正しいと思い込む。

・耳の痛い意見を言う人を遠ざける。

・気がつけば自分に賛成する人だけが残る。

こうなると

自分の考えを修正する機会が失われていきます。

自分を否定する人がいないことが

良い状態とは限りません。

自分を否定する人を

探すことでもありません。

大切なことは

自分の間違いを

安心して指摘してもらえる関係をつくること。

それが

成長につながる人間関係だと私は思います。

■ 4.本当に危険なのは「変わらなくても困らない場所」

人は必要に迫られると行動します。

・できないことがあれば覚える。

・分からないことがあれば調べる。

・失敗すれば原因を考える。

・問題が起きれば改善する。

ところが

・誰かが代わりにやってくれる。

・失敗しても責任を問われない。

・努力しなくても評価が変わらない。

・何も変えなくても今の立場を維持できる。

そんな状態が続くと

変わる必要性を感じにくくなります。

本当は

困る前に気づく。
 

問題が大きくなる前に改善する。

今できていることにも

さらに良くする余地がないか考える。

こうした姿勢が大切なのです。

■ 5.あなたは今、成長できる場所にいますか?

ここで少し考えてみてください。

【自分を振り返る5つの質問】

① 最近新しいことに挑戦していますか?

② 自分の間違いを指摘してくれる人がいますか?

③ 苦手なことやできないことから逃げていませんか?

④ 今のやり方をより良くしようと考えていますか?

⑤ 今の環境に慣れすぎて努力を忘れていませんか?

もし答え困るものがあったとしても

落ち込む必要はありません。

大切なのは

今の自分に気づくことです。

自分の弱点に気づければ

改善することができます。

今の環境に問題があると気づけば

環境を変えることもできます。

そして

自分自身の行動を変えることができます。

■ 6.本当の安心とは何か?

私は

本当に安心できる環境とは

何も起こらない環境ではないと思います。

何も指摘されないから

安心なのではなく

指摘されても

そこから学べるから安心できる。

何も変わらなくていいから

安心なのではなく

変わることに挑戦しても

支えてくれる人がいるから安心できる。

これは

とても大きいと思います。

■ 最後に

居心地の良い場所にいることは

決して悪いことではありません。

心が休まる場所も必要です。

自分を認めてくれる人も必要です。

安心して過ごせる環境も必要です。

しかし

その居心地の良さが

挑戦しない理由になっていないか。

学ばない理由になっていないか。

自分の間違いを認めない理由になっていないか。

ときどき

自分に問いかけてみることが大切です。

本当に怖いのは

厳しい環境にいることだけではありません。

成長できない環境に慣れ

そこから出る必要性さえ

感じなくなってしまうことです。

今の自分にとって

居心地が良い場所はどこでしょうか?

そしてその場所は

自分を守ってくれる場所ですか?

それとも

自分の成長を止めている場所ですか?

安心できる場所を大切にしながら

ときには自分の殻を破ってみる。

昨日より少しでも

考え方や行動を変えてみる。

その小さな積み重ねが

未来の自分をつくっていくのだと私は思います。

「居心地の良さ」に満足するのではなく

「成長できる安心」を選ぶ。
 

それが

長く成長し続けるために

大切なことではないでしょうか。

では最後にお待ちかねの川柳です。

安心が 

いつしか挑戦 

遠ざける

byくさか