相手を本気で唸らせる「説得力」の上げ方
【相手を本気で唸らせる「説得力」の上げ方】
~事実を見せ、リスクを伝え、
最後は相手に選ばせる「DESK法」~
「この人の話は、なぜか納得してしまう」
そんな人には
ある共通点があります。
それは
「話す順番」が上手いことです。
一生懸命説明しているのに
なぜか相手に伝わらない。
注意しているのに
なかなか行動が変わらない。
そんなとき
つい
「もっと強く言わないと」
「もっと詳しく説明しないと」
と考えてしまいます。
しかし
本当に必要なのは
「言葉の強さ」ではありません。
大切なのは
相手が自分で納得できる流れをつくること。
そこで使えるのがDESK法です。
■ DESK法とは?
DESK法は
相手に納得してもらい
行動につなげるための4つのステップです。
D=描写(Describe)
E=説明(Explain)
S=提案(Suggest)
C=選択(Choose)
簡単に言えば
「事実を見せる」
↓
「リスクを理解してもらう」
↓
「具体策を提案する」
↓
「最後は本人に選ばせる」
という流れです。
では
実際の面談を例に見てみましょう。
■ D=描写びょうしゃ(Describe)
まずは
「起きた事実」をそのまま伝えます。
例えば
報告が遅れてトラブル対応が後手に回った場合。
いきなり
「なんで報告しなかったの?」
「もっと早く言ってよ」
と責めるのはいけません。
そうではなく
「今回のスケジュール変更の件ですが
現場で問題が発生してから私に共有されるまでに
2日間のタイムラグがありました」
と伝えます。
ここで大切なのは
評価ではなく事実を伝えること。
「あなたは報告が遅い」
というのは評価です。
一方で
「問題発生から共有まで2日かかった」
というのは事実です。
人は
いきなり人格を否定されると
防御的になります。
しかし
事実を示されると
「確かにそうだった」
と自分の行動を振り返りやすくなります。
まずは
相手を責めるのではなく
現実を一緒に見る。
これが最初のポイントです。
■ E=説明(Explain)
次に
「なぜ、それが問題なのか」
を説明します。
例えば
「初期の段階で共有があれば
チーム全体でカバーに入れます」
「しかし時間が経つほど
対応できる選択肢が減ってしまいます」
「結果としてあなた自身の対応負担も
大きくなりますし、
周囲からの信頼にも影響してしまいます」
というように
報告が遅れることで起こる
「次の問題」を伝えます。
ここが非常に重要です。
単純に
「報告は早くしてください」と言われても
人は行動を変えにくいものです。
なぜなら
「なぜ早く報告する必要があるのか」
が分かっていないからです。
早く報告することは
上司を安心させるためだけではありません。
自分自身を守るためでもあります。
早い段階なら
周囲が助けることができます。
しかし
問題を抱え込んで時間が経過すると
選択肢がどんどん減っていきます。
そして最後には
「もっと早く言ってくれれば助けられたのに」
という状態になってしまいます。
つまり
報告の遅れは
「自分で自分の首を絞める行動」
にもなり得るのです。
だからこそ
「怒られるから報告する」
ではなく
「自分とチームを守るために報告する」
という意味づけが必要になります。
■ S=提案(Suggest)
ここまで来たら
次に具体的な行動を提案します。
ただし
ここで大きなルールを作ってはいけません。
「今後はすべて完璧に報告してください」
では
ハードルが高すぎます。
そこで
「まずは解決策が決まっていなくてもいいので
問題が起きた瞬間に
『事実のみを1行チャットで送る』という
ルールでやってみませんか?」
と提案します。
例えば
「スケジュール変更で問題発生。現在確認中です」
これだけでもいい。
「報告=解決策まで用意してからするもの」
という思い込みを外してあげるのです。
問題が起きた。
↓
まず事実を共有する。
↓
その後、一緒に考える。
この形に変えるだけでも
報告のスピードは大きく変わります。
人を動かすときに大切なのは
正しい行動を要求することではなく
行動できるレベルまでハードルを下げること。です。
■ C=選択(Choose)
そして
最後に最も重要なのが
選択権を相手に渡すことです。
例えば
「このやり方で試してみるか
他にやりやすい報告の形があれば
提案してもらっても構いません。
どうしますか?」と聞きます。
ここで
「これからは絶対こうしてください」
と一方的に決めてしまうと
指導ではなく支配になってしまいます。
もちろん
組織として守るべきルールはあります。
しかし
その中で「自分はどうするのか」
を本人に考えさせる。
これが
主体性につながります。
人は
誰かに決められたことよりも
「自分で決めたこと」
のほうが行動を継続しやすいものです。
■ 「説得」と「押しつけ」は何が違うのか?
説得力のある人は
相手を言い負かしているわけではありません。
むしろ逆です。
相手が自分で納得できる材料を順番に渡している。
だから
「言われたからやる」
ではなく
「確かに、この方法のほうがいいな」
という状態をつくることができます。
DESK法を整理すると
D=描写
「何が起きているのか?」
↓
E=説明
「なぜ、それが問題なのか?」
↓
S=提案
「では、どうすればいいのか?」
↓
C=選択
「あなたは、どうする?」
です。
つまり
事実を見せる。
↓
リスクを理解してもらう。
↓
具体策を提示する。
↓
最後は本人に選ばせる。
この順番です。
■ 本当に説得力のある人とは?
説得力のある人は
声が大きい人でも、
厳しい人でも、
知識が多い人でもありません。
相手が
自分で納得できる順番を知っている人です。
特に
部下への指導。
スタッフとの面談。
お客様への説明。
トレーナーとしてのアドバイス。
家庭でのコミュニケーション。
こうした場面では
「正しいことを言う」だけでは
人は動きません。
必要なのは
「正しさを相手が受け取れる形に変えること」です。
もし
・何度言っても伝わらない
・注意しても行動が変わらない
・部下がなかなか報告してくれない
と感じるなら
一度、
自分は正しいことを言うことに
集中しすぎていないか?
と考えてみてください。
そして
D → E → S → Cの順番で話してみる。
説得とは
相手をねじ伏せることではありません。
相手が自分の意思で
「やってみよう」と思えるところまで
道筋をつくること。
それが
本当の意味での
「説得力」なのかもしれません。
では最後にお待ちかねの川柳です。
押しつけず
気づきを渡し
人
動く
byくさか


