分かるとは『賢さの階段』を登ること
【仕事の理解力・続編】
「分かる」の先には、階段がある
~知識を「行動」に変え、「人に影響を与える」~
前回のブログで
「知っている」
「分かっている」
「できる」
は、それぞれ違う段階だという話をしました。
でも、じつは
「できる」ようになったら
それで終わりではありません。
「仕事の理解」には
さらにその先に
・説明できる
・伝えられる
・影響を与える
という段階があります。
私はこれを
「賢さの階段」として考えると
とても分かりやすいと思っています。
■ 一番下は「逃げ出す」
仕事で問題が起きたとき
「自分には関係ない」
「聞いていません」
「知りません」
「誰かがやるでしょう」
と、その場から逃げてしまう。
これは
問題から目をそらしている状態です。
誰でも失敗することはあります。
大切なのは
失敗したことではなく
失敗したあとに、どう向き合うかです。
ここから階段が始まります。
■ 「否定する」から「行動する」へ
次の段階では
「自分は悪くない」
「そんなこと言われていない」
「前はそれで良かった」
と、
まず否定したくなることがあります。
これは
自分を守ろうとする反応でもあります。
しかし
いつまでも否定しているだけでは
何も変わりません。
そこで
「では、どうするか?」に切り替える。
ここが大きな一歩です。
■ 「行動してみる」
完璧に理解してから動こうとすると
いつまでも動けないことがあります。
だから
まずやってみる。
やってみれば
「ここが分からない」
「ここで迷う」
「ここが難しい」
ということが見えてきます。
つまり
行動することで
自分の理解不足が見えてくる。
これは大切なことです。
■ 「理解できる」
ここで初めて
「なぜ、これをやるのか?」が見えてきます。
例えば
「報告してください」という指示。
ただ言われたから報告するのではなく
「早く報告することで
問題を小さいうちに対応できる」
と分かれば
報告の意味が変わります。
ルールを覚えることから
目的を理解することへ。
ここで一段上がります。
■ 「実行できる」
理解したら
次は実際に行動できるかどうか。
ここが
前回のブログでお話しした
「分かる」と「できる」の違いです。
頭では分かっていても
忙しくなったらできない。
緊張すると忘れる。
予想外のことが起きると対応できない。
これでは
まだ「できる」とは言えません。
繰り返し実行することで
少しずつ自分の力になっていきます。
■ 「説明できる」
ここから
さらに一段上がります。
自分ができるようになったことを
今度は
人に説明できるか?という段階です。
例えば
「この仕事はこうやります」
だけではなく
「なぜ、この順番でやるのか」
「ここを間違えると、どうなるのか」
まで説明できる。
これは
単に作業を覚えた状態とは違います。
自分の中で理解が整理されている状態です。
■ 「伝えられる」
説明できるようになっても
まだ次があります。
それは
相手に合わせて伝えられるか?です。
同じ内容でも
新人に伝える場合と
経験者に伝える場合では
伝え方が変わります。
・言葉を変える。
・順番を変える。
・具体例を使う。
・実際にやってもらう。
・質問して確認する。
つまり
自分が分かっているだけではなく
相手が分かるように伝えるところまで進む。
ここで
理解が
「自分のもの」から
「人に渡せるもの」になっていきます。
■ 最後は「影響を与える」
そして
さらに上の段階があります。
それが
「影響を与える」という段階です。
自分が言わなくても
相手が考えて
自分から行動する。
これができるようになると
「教える人」から「人を動かせる人」
へ変わっていきます。
例えば
「報告してください」
と毎回言わなくても
問題が起きたら
スタッフが自分から報告する。
「確認してください」
と言わなくても
本人が
「ここは確認したほうがいいな」と考える。
これは
単に仕事を教えただけではありません。
考え方そのものに影響を与えた
ということです。
■ 「できる人」と「育てられる人」は違う
仕事ができる人が
必ずしも人を育てるのが上手とは限りません。
自分はできる。
でも
「なんでこんな簡単なことができないの?」
となってしまう。
これは
自分の成功方法を相手に
そのまま押し付けている状態です。
本当に理解している人は
「自分はどうやってできるようになったのか?」
を振り返ることができます。
そして
相手がどこでつまずいているのかを見る。
そこに合わせて説明する。
やらせてみる。
修正する。
もう一度やってもらう。
「できる人」から
「できるようにする人」へ。
ここが
大きな成長なのだと思います。
■ 「理解」は階段を上っていく
仕事の理解を
一つの階段として考えてみます。
逃げ出す
↓
否定する
↓
行動しない
↓
行動してみる
↓
理解できる
↓
実行できる
↓
説明できる
↓
伝えられる
↓
影響を与える
もちろん
誰もがいつも一番上にいる必要はありません。
失敗することもあります。
分からなくなることもあります。
立ち止まることもあります。
大切なのは
「今、自分はどの段階にいるのか?」
に気づくことです。
■ 指導する側も「自分は何段目か?」を考える
これは
教える側にも当てはまります。
「説明したのに、なぜできない?」
と思ったとき
相手だけを見るのではなく
自分にも問いかけてみる。
「自分の説明は伝わったのか?」
「相手は目的を理解できたのか?」
「実際にやってもらったのか?」
「できるまで確認したのか?」
そして
最終的には
「自分がいなくてもできる状態をつくれているか?」
ここまで考える。
これが
本当の意味での
「人を育てる」
ということなのだと思います。
■ 「教える」から「考えられる人をつくる」へ
仕事で一番強い組織は
何でも上司に聞かなければ
動けない組織ではありません。
一人ひとりが
「これはどうすればいいだろう?」
と考え
「こうしたほうがいいと思います」
と自分の考えを持ち
必要なときには相談し自分で行動できる。
そんな状態です。
指導のゴールは
「言われた通りにできる人」を
増やすことではなく
「自分で考えて動ける人」を増やすこと。
さらに
その先は
「自分で考えて動き
周りにも良い影響を与えられる人」
を育てることです。
■ 最後に
仕事の成長とは
単純に知識を増やすことではありません。
知識を行動に変えること。
そして
自分の行動を
周りの人の行動にもつなげていくこと。
それこそが
仕事における本当の「理解力」と「賢さ」
なのだと私は思います。
では最後にお待ちかねの川柳です。
分かるから
できるへ進む
一歩ずつ
by くさか


